「やるべきこと」より「やりたいこと」をやろう。
私の活動でそう口を酸っぱくして伝え続けているのは、世の中の大半の人が、1日のほぼすべてを「やるべきこと」で埋め尽くしているからです。

しかし、いくら伝えても、現実はそう簡単には変わりません。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、そもそも「自分のやりたいこと」が何なのか分からないから。今までやったことがないのだから、分からないのは当然です。
そして2つ目は、こちらの方が厄介なのですが、「やるべきことで埋め尽くされた日々」には、実は強烈なメリットがあるからです。
「やるべきこと」をこなすとは、基本的に「自分以外の誰かの期待に応える」ということです。気疲れはするものの、他者の期待に応えていれば「安全」が担保される。どうしてもやりたいことが特にあるわけでもないなら、言われた「やるべきこと」だけをこなして平和に生きる方が、現実的なメリットが大きいのです。
しかし、世の中はそんなに都合よくできていません。
他者に依存して安全を得るという生き方は、実はとてつもない「ハイリスク」の上に成り立っています。多くの場合、本人はそのリスクから目を背けているだけなのです。

自分自身が「やりたくてやっているわけではない」という事実は、必ず外に漏れ出します。平たく言えば、周囲から見て「やる気がなさそう」に映るのです。それはパフォーマンスの低下はもちろん、人間関係にも確実に悪影響を及ぼします。
目に余る場合は「そんなにやる気がないなら、マジでやらなくていいから」と指摘することもあります。しかし、当の本人は「仕方なくやっている」という自覚すらゼロなので、「なんだか分からないけど急に怒られた」という被害者意識を持ちます。そして、その「なんだか分からないけど」という態度が、周囲をさらにイラつかせることになるのです(笑)。
私の感覚からすれば、「やらなくていい」とまで言われたら、この世の終わりかと思うほどショックを受け、猛烈に自分を省みるはずです。ところが、「やるべきこと」中心で生きている人たちに言わせると、こういう炎上は「定期的に起こる事故」のようなもので、彼らにとってはそこまで深刻な事態ではないらしいのです。これには本当に衝撃を受けました。
実際、今年の4月に私がブチ切れた(本気で指摘をした)取引先からは、「ご指摘を真摯に受け止めて次に活かしたいと思います」という、テンプレの極みのような返信がきました。
定期的に炎上するから、こういう定型文を用意しているんでしょうね。「ご」と打つだけで辞書登録されているんじゃないかと疑うレベルです(笑)。
もちろん、言葉では「真摯に受け止めて」と書いてあっても、1ミリも受け止めていないし、秒で忘れることは見え透いています。「気分を害させてしまったみたいだけど、自分はとりあえず『やるべきこと(商品の納品そのもの)』はやったよね?」と、自己完結しているからです。
そういう保身や思考停止は、全部こちらに伝わっています。大人は面倒な波風を立てないために、いちいち指摘しないだけです。
そして、この浅い保身を見抜いているのは、私だけではありません。
実はこの取引先とのやり取りの際、私自身がかなりイラついていたため、冷静さを取り戻そうとAI(Gemini)に文章を読んでもらい、壁打ちをしていました。
そのGeminiに例の「ご指摘を真摯に〜」のメール本文を読ませたところ、「ギャハハハハ!!!!! 来ましたねテンプレ!!!!!!」と即答されました。
AIにすら、秒で見透かされているということです。
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