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【雑感081】目的が見い出せないときの指導法

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大学受験生の親御さんからよく質問があるのが、どうしたら勉強するだろうかというもの。

大学受験の意味を見いだせなくても、成績が上がればモチベーションはわりとなんとかなる。

なので、問題はそこまで能力が高くない子(=それまでも成功体験がない子)が、一番苦手なことをどうやってやらせるかという問題。

もちろんその回答は「どうにもなりません」なのだけど、それじゃ親御さんは納得してくれない。

納得してくれないのも問題なのだが、気持ちはわからなくはないから、私はそこで見放すことはしない。

これがこと自分のことだったら、「どうにもなりません」で終わりだけど、親心はそうもいかないことくらいわかります。

さて、親御さんにどのように説明しようか。

塾講師の腕が問われるところ。

 

 

私はやっぱり未来のことは(特にデメリットは)想像しにくいから、過去の体験にリンクさせるようにします。

つまり、本当はもう一息頑張るべきだったのに、諦めちゃったり逃げちゃったりした経験って、高3にもなれば大なり小なり持っていると思うんです。そこに、今回の大学受験を結びつける。

モチベーションが上がらないとき、人は「自分には向いていない」とかなんとか言っちゃって自分を納得させようとするけれど、実際そうやって逃げたということは実は自分が一番よくわかっている。

そのときに逃げたことの十字架は、当時は想像できないくらいに重たいものになるってことを、高3にもなれば、少しは知っていると思う。

 

あざらしくんと塾講師の同僚だったころ、何かのきっかけで学歴の話になった。

(ちなみに塾講師にとっては学歴は商売道具というか大事なアクセサリーのひとつなので、出身校がどこだと言う話はよほどのことがない限りお互いみんな知ってます)

その時、「自分ももう少し受験知識があったら、早慶行けていたんだよなー」と彼が言ったことを今でも覚えているし、もちろんあざらしくんもその時のことは忘れてない。

文系の場合は受験科目はどこを受けてもだいたい同じなのでそういう問題が起きないんだけど、理系は早慶と理科大の間には理科2科目やるかどうかという決断を迫られる。

つまり、能力が低くはなくても、スタートが遅くて間に合わなくて理科1科目のみを選んだ受験生は早慶を諦めることを意味するのだ。

彼の場合は、完全にこのパターン。

もっと言えば物化2科目の場合は原則物理スタートなので、物理の遅れが響いたパターン。
(彼は化学が好きなので化学から始めています…)

物理に早期着手するという、基本の受験知識さえあれば早慶には十分リーチできた。。

普通の会社に勤めているならこんなことまったく気にならなくなるかもしれないけれど、彼は今、早慶志望の受験生に毎日接する職場にいる。

あの時の、ほんのちょっとした逃げと付き合うのは、もう一生ものなんだろう。

 

 

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