過保護な親が子供をだめにした事例をたくさん見てきた。
結果を出す子供の親御さんは、比較的子供本人に任せていることが多く、だからと言って無関心ではないから、子供も見放されているとは思っていない。
でも、本人に任せるって、ほんとうに難しいと思う。
失敗を見ていて辛いのは、親だからだ。
だけど、本人に任せないと、子供は、「自分は親がいないと何もできない」と思うようになる。
そういう意味では私はかなりラッキーな育てられ方をしたんだと思う。
「子供が体調崩したので休みます」というのがどうやら世の中の常識らしいと聞いて、私の基準ではびっくりだ。
だってうちは風邪はご飯いっぱい食べて厚着して寝て大量発汗すれば治るもので、看病が必要なものではなかったからだ。
もちろん親は親なので、寝込んだ子供を放置するのは忍びなかっただろう。
でも、お勤めの方々と違って、生きるのに必死な環境では、「子供が体調崩したので休みます」はあり得なかった。
そんな私はまわりからすればかわいそうな子供かもしれない。
でも、私にはどんな環境であれ、親とは距離をもった関係ができたのは、すごくよかった。
いくらでもべったべたにかかわれる環境だったら、果たして私のことをここまで尊重してくれただろうか。
無関心ではないほっらかしは、私にとっては十分尊重だと言える。
そんな環境だったから、小さい頃から、自分のことはなんでもできた。
たいして特別な能力がない私が、いろいろなことについてなんとかなると思えるのって、この、子供の頃の蓄積がとても大きいと思う。
子供にとって、親が「絶対」の存在であるのは、子供は、親がいないと自分の最低限の衣食住ですら整えられないからなんだろう。
もちろん実質的には子供にどうにかできることではないけれど、でも120%親に依存しているわけではないという自負は、私の支えになったに違いない。
こんな環境だったし、長女だったので、とにかくしっかりした子供だった。
中1で母と妹と3人でパリ・ローマに行ったときは、先頭に立って現地の人と話したりしていたのは、私だもん。
(英語教室に通っていたという事情もあります)
そんな場数と達成経験を積んでいれば、誰だってしっかりもする。
だから、過保護な親によくある、「この子は私がいないと、何もできないの」はまったくありえなくて、むしろ「陽子は頼りになるなあ」と素で言ってるくらい。
大人になって一緒に旅行しているときにハプニングがあっても、「陽子がいればなんとかしてくれる」という信頼は大変厚く…(笑)
見るに耐えかねて手を出してしまいたくなる未熟な時代は、手を出す余裕のない生活をしていたせいで、乗り切れた。
そこを乗り切ったら、気づけば子供は成長して、手を出す必要が1ミリもないどころか、助けてもらうようになった。
これほど健全な世代交代があるだろうか(笑)
子育ての中の親御さん、親だからあれこれしてあげたいかもしれないけれど、あれこれしないのが、実は正解かもしれません。
ちなみに私が子育て関係のお悩みを聞くとたいてい「ほっとけば?」と思ってます。言うときもあれば、言わないときもあるけれど。
つまり、お悩みの大半がおせっかいってこと。
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