うちの若い社員は、こういう仕事を選ぶだけあって、自分が見る側(聴衆)としてもエンタメが好きな人が多い。
いわゆる「推し」がいない社員のほうが珍しいくらいだ。特に20代は。
もちろん、私も、エンタメは好きだ。
裏方も演者も本番のために、毎日を積み重ねているからこそ、聴衆の心を動かすのだろう。
だけど、私は、うちの若い社員には、少しずつでいいから、エンタメに費やす時間とお金の配分を変えていきなさいという話をしている。
専門学校の新卒で入社した社員は、まだ20歳(誕生日を迎えて21歳)。そりゃあその頃は給料全額を推しにぶっこんでもいい。自分のお昼は毎日自宅でお米炊いて塩おにぎりでもいい。若いから体力あるし、若いからそこまで給料もらえるわけでもないし。
でも、少しずつ、そう、1割ずつでもいいから、エンタメに費やす時間とお金を、自分に費やしなさいと話している。10,000円使うなら、1,000円分を自分に使いなさいと。(これだと1割以下だけど笑)
そうなると、一ヶ月に1冊本を買ったり、月に10日マックでこもって集中して日記を書いたり(100円コーヒー換算)、そういうことに使いなさいと。
なぜなら、推しはあなたを守ってくれないからだ。
自分を守るのは、自分しかいないからだ。
だから、推しに時間とお金を出して活動を応援するように、自分に時間とお金を与えて応援する(鍛える)のだ。
20代のうちは多少はオタでもいいよ。実際、できないことがあっても、誰かが助けてくれる。
だけど、30代になったら、そうはいかない。30歳になって急に時間とお金を自分に使ったところで、急になにもかもできるようになんかならない。
つい最近までやっていたオタ活を急にぶった切ることなんてできない。
だから、少しずつやっていかないと、という話をしている。
面と向かって嫌な顔はされないけど、うるさいおばさんだと思ってるんだろうなあ。でも、どこかでは良くないとわかっていると思っている。うちの若い子たちはそんなにバカじゃない。
エンタメの仕事をしていてアレだけど、私は、あくまでもエンタメは生活を豊かにする部分であって、生活の根幹をなすものではないと思っている。特に一般の人は。
「『あの人も頑張っているのだから自分も頑張ろう』というモチベーションをお金で買っているのだから、それは単なる娯楽というような存在ではない」という人はいるかもしれないけれど、人間、そんなに半端なく強い意志なんて、持てるのだろうか。
だから、自分の生活基盤にまずはしっかりと時間とお金をかけて、それでも余力があるなら、そりゃあもういくら遣ってもらっても(笑)
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