うちは新卒採用がメインなんだけど、転職を断る理由はなにもないので、転職希望の若い方の応募もある。
新卒で入った会社を速攻やめちゃった方(最短では一ヶ月以内)や、ずっとバイトしかしていない方などは、申し訳ないが、話を詳しく聞く前に「難しいな」と判断することになる。
この結論までにかかる時間は5分ほど。
採用を長年やっている人間からすれば、5分話せばだいたい伝わってくる。変に履歴書をモリモリで書かれるよりもお互いに時間も労力も節約になっていいので、オンラインコミュニケーションが発達した今は、まずはZoomで短い時間をいただいている。
「石の上にも三年」をどう解釈するかは人によって違うところがあるのかもしれないが、私は原則、この言葉には肯定的である。(もちろん理由によっては即刻退職したほうがいい場合もあります)
3年も経てば、それなりに形のあるものを任されて、成功したり失敗したりして、仕事の楽しいことも辛いこともわかるだろう。だから、それを何回か経験したあとなら、すれ違いを感じてしまうのも仕方ないかもしれない。
だけど、入社して間もない頃の信用がない状態で、誰が形のあるものを任せるだろうか。そして、ド新人が吠えていることなんて、誰が耳を貸すだろうか。
私も若い頃はそのへんのことを全く知らなくて、まだ経験もろくにないのに偉そうに自説をぶってみては、自分の価値ある話(笑)を聞いてもらえないことに不満をつのらせていた。
もちろんオバサンになった今は、「自分の話を聞いてもらうには、まずは信用を得てから」という社会人の掟を理解している。だから、若手にしっかり理解させるように、月イチの面談シートは「何を成し遂げたか」とか「何を考えたか」ではなく、「信頼を得られたか」がメインテーマになるように構成している。
こうして、若い子や働いたこともない学生には思いもよらない、社会人の暗黙の了解みたいなものは、社会人にならないとわからない。
だからこそ、社会人(大人)が教えてあげないといけないと思うのだけど、早期退職者に聞いてみると、上司も先輩も両親も誰も何も止めてくれなかったし教えてくれなかったと言われてしまう。
うーーーーーーん。。
私は、求職者の若い方が悪いとは思えない。
まわりの大人が、教えてやってくれよって思う。
私のように「だってだって」と言い募るかもしれない。
それでも、誰かがなにか一言行ってくれれば、うちに転職面接に来たときに「まわりの大人に、誰にも、とめられなかった?」と私が聞くから、同じことを2人の人から言われることになる。2人に言われたら、考えるかもしれないし。
まだ若いんだから、みんなでフォローしてやってくれよ…。(まあでも入社浅い社員から退職したいとかしょぼい相談されたらイラッとして「好きにすればいいだろ」と言いたくなる気持ちもよくわかります)
うちは、3年目くらいになると退職を言い出す若い人がいますが、その子には伝えてます。
もちろん「なんの実績もないあなたを転職市場で採用しようって会社なんて、どうせ人を消耗品のように使う会社だろうよ」なんて言い方はしませんが、でも、そのような趣旨のことは言います。
その人にとっては私はただの先輩ですが、外から見たら、私は採用担当者なんだから、少なからず私と似たような味方をする人にこれから自分を売り込んでいくわけで。
ちなみに、もう退職決意を固めている人にそんなことを言っても、その場では効果がないのが現実です。
また、まだ年次が浅いうちの退職は逃げ出すように辞める人も少なくないので、私の言葉も否定的に受け取られてしまうことがほとんどです。
転職面接で「まわりの大人に、誰にも、とめられなかった?」と聞かれたときに、「いえ」と答えるかもしれないけれど、大人として、できることはやっておこうと私は思います。
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