「わからないことだらけで、とにかく聞きまくってしまいました」と現場での動きを反省していた若手の女子社員を褒めた。
その現場は、もともとその社員は行く予定ではなかった、というか、正直戦力外だと思われていたのかもしれないが、無理やり私がその社員をメンバーにブチ込んだ。
「陽子さんが無理やり入れてくれたんだから、下手なことはできない…!」というプレッシャーで臨んでいた段階でもう半分成功したようなものだが、実際、その社員の動きは上からも評価が良かった。
後日、現場が終わってからの振り返りの言葉を聞いたのが、冒頭のやりとりである。
若手は「?」という顔をしていた。まあ当たり前だろう。
彼女にとっては、質問なんかしないで、自分の力で問題なく出来ることを「出来た」とか「うまくいった」と認識するものであり、質問をしている段階で自己評価は決して良くないのだろう。
そこで解説をしても良かったのだが、ちょうど2人の学生のインターンシップをやっていたので、それと絡めて話をすることにした。
*
彼女に、担当していた学生の動きについて評価を求めたところ、「Aさんは、自分から聞いてくれたので良かったです」と言う。
しかも、「わからないところも聞いてくれるし、ここはこれでいいですかって確認も聞いてくれる」と。
そして、もう1人の学生のBさんはまったく質問も確認もしてくれなかったという。
この評価を学生2人に伝える機会を作ったので、せっかくなので、Bさんに、言い分を聞いてみることにした。
すると、自分の製作をしていたその若手社員が「忙しそうだったから」、質問をしなかったという。
実際に忙しかったから学生を「ほったらかしにしていた」のはある程度意図的だったらしく、学生がそれぞれどれだけ自分から質問ができるのかを見たかった、と言っていた。
「忙しいなかでも、いや、忙しいからこそ、質問を自分からしてほしい」と若手社員は言う。
「それって、現場であなたを指導してくれたベテラン社員やベテランの大道具さんも、同じ心境なんじゃないの」とすかさず私は聞いた。
「あ〜!!!そうか〜!!!」と納得できたようだ。
忙しい現場で質問をたくさんできた、ということは、おそらくその質問は的を外したものではないし、彼女の態度も教えてあげたくなるものだったんだろう。
タイミングも、さすがに聞いちゃいけないときはちゃんと外しているんだろう。だから、ウザがられずに、答えてもらえたのだろう。
初めての種類の現場で、初対面の人も少なくないのに、ガンガン質問ができたということは、きっとそれなりにきちんと、まわりが見られていて、多少の余裕はキープできている状態のはずだ。
「質問をすることができる」という評価軸は、相手が新人でなくても使える。
年齢を重ねたベテランになれば、質問が許されない雰囲気もある。
変に空気を読む練習ばかりしてきた人は、相手の状況次第で質問ができなくなってしまうため、なにか物事が出来ない理由を他責にしてしまう癖がいつの間にか身についてしまっているだろう。
また、質問の練習をしてこなかった人は、すべからく思考が明確ではなく曖昧なので、その人の説明もちんぷんかんぷんである。でも、ベテランだから、それを指摘することも出来なくて、若手は本当に困ってている。でも、言えない。困りごとの無限ループ…。
あなたは、相手にガンガン質問できますか?
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