あざらしくんと結婚してもう10年以上になるが、いまだに「私を否定しないで」と訴えることがよくある。
私を否定してくるのはあざらしくんに限らない。というか、地球上のほぼすべての人から否定されていると言ったほうが正しいくらい、みんな私を否定してくる(と感じている)。
こう書くとだいぶ被害者ヅラ全開ぽくてあんまり好きじゃないけど、でも、ここまで言わないと伝わらないとも思う。
多くの方は、自分が正しいと思ってる。
自分も正しい、相手も正しい、が実際のところなのに、自分が正しいと思ってる。
しかも、自分が正しいことしか考えていないから、「自分が正しい」のその先は、「自分が正しい、あなたは間違っている」であることに気づいていない。
子供の頃からなにかをすれば、すぐに、無理だだめだと言われた。もちろん能力が高い子供ではなかったので無理なこともできないこともかなり多かった。そういう意味では、「無理だという判断は正しい、(できると思っている)あなたは間違っている」ことも多かったのだろう。
無理だと言われても、「そっか無理なのか…」と諦めることはほぼなかったから、結果的に周囲も驚く結果を出すことも多かった。
そうやってひとつずつ信頼を獲得したり自分の脳力や知識や経験を拡張してきたので、今となっては否定されたからって別に何かが止まったり失ったりすることはないけれど、気分が悪いことになんの変わりもない。
だから、私は、人を否定しないコミュニティを作りたかった。
否定されて育って、今も否定されることばかりな私が、一番欲しかったものを、作りたかった。
でも、否定されることばかりな現実は、今でも、変わってない。
私がなにかを求めたとき、例えば10年プロジェクト内でリアクションを求めても反応がない期間がずっと続いたが、その間ずっと、私は否定されていると思っていた。
「つい忘れちゃって」と。ああ私はつい忘れられちゃうどうでもいい存在なんだね。
「仕事が忙しくて」と。あなたから話を聞く限り、職場の人間関係がだいぶ薄っぺらいようだけど、その人より私のほうがもっと薄いんだね。
「なにか意見ないですか?」と聞いても、意見が来ない。聞いたら「なんて言えばいいのかわからなくて」と。ああ、私はコミュニケーション取りたい人じゃないんだね。
つい忘れちゃったり、目の前のどうでもいい人よりもさらにどうでもいい人で、特に言いたいこともない私には、なんの価値があるんだろう。
さすがに私も成長するので、そういうもろもろの行動が、間接的に私の否定につながっていると本人が思っていないことくらいはわかるようになった。
なにかを提案したときにかなりの確率で「大丈夫です(不要です)」と言われるから、ああ私の存在や私の提案は不要なんですねと思うけど、それこそかなりの確率でその不要論はひっくり返る。
だから、迷惑をかけてはいけないと思ってるのかな、とか、考えを切り替えるのが難しいのね、と思っていちいち落ち込まないし再度提案もできる。
それらのことはできるけど、そういう息を吸って吐くように悪気なく否定してくるくせに、嫌われる(=否定される)のが嫌とか怖いとか言われると、どの面下げて言ってんだこの野郎、と思うのが、正直な気持ちだ。大人だからいちいち面と向かって言わないけど。
というわけで、来週の10年プロジェクト勉強会のテーマは、「否定しないコミュニケーション」です。
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