先週の続きです。
だいぶ前のことになってしまうのだが、『親不孝介護』は興味深かった。
まだ介護が先のことだという方にも、ぜひ読んでいただきたい、というか、読むべきだと思う。
著者が男性で、お母さんの介護をしている。
男性にとってお母さんは本当に女神様なんだなあとしみじみ思わされるほど、お母さんへの理想の高さを赤裸々に書かれている(笑)
認知症の症状が出始めて、できないことやだらしないと思うことが増えることについて、葛藤する息子に対し、「本当のお母さんはだらしない人だったのかも」と返す介護のプロ。
うちは親が結構ありのままだったので、こんなに親が子供の前ではかっこつけているもんなんなだなあというのが逆に新鮮(笑)
ちなみに、子供が介護に直面すると、みんな同じような反応(言動)らしい。
特に言及が多かったのが、「『親孝行』が目を曇らせる」ということ。
みなさん本当に「親を大事に『しなきゃいけない』」という思いが強いんだなあ…これまた結構な衝撃でした。
もちろんそれなりに恩返ししなきゃと思うほど、親には面倒をかけた人もいるでしょう。
だけど、私の経験上は、たいして親が苦労してなさそう、というか、親の前でいい子いい子してきた子供が、大人になってもなおいい子にしてなきゃいけないと思い込んでいるような感じに見えます。
でも、好き好んでいい子しているわけではないから、本来大事にしなきゃいけない親とコミュニケーションをろくにとっていない。(この点は、親が手塩にかけて育てているはずの子供ともろくにコミュニケーションとっていない現実があるのでお互い様)
なので、子供の行動は、
「親が何を望んでいるのかわからないから、高級な老人ホームに入れる」
「完璧主義で全部を自分でやろうとする」
と、なってしまうわけで…
なんかここまで来ると的の外しっぷりに見ているこっちが悲しくなってしまう。
そしてそうやって子供が頑張っている一方で、親は改善の兆しが見えないどころか、衰えていくばかりなのが現実で…
「なんでこんなに時間取っているのに、がんばっているのに、親はがんばってくれないの?」と責める気持ちが出てしまい、親のほうも、子供はいつ来ても怒ってるという話になってしまう…。
親不孝介護がちょうどいいことをしっかり忘れないようにしなければ。
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