私は未経験で予備校講師になったのですが、いわゆる研修なんてものはろくになく、入社して３日で講師デビューしました。
入社後約半年の下積み期間があるという説明を受けていたので、下積みをすっとばしてデビューできるというのは嬉しいことだけど、下積みがない＝中身がないだけに、デビューしてからが大変でした。
自分でも努力したけれど、とても追いつけないので、授業がめちゃくちゃうまい先輩に模擬授業を見学させてもらいながらなんとかやっていました。
先輩の授業はすごくわかりやすいしうまいので、私は先輩の授業を完コピして授業をしていました。
だから、生徒たちからは「安達先生と●●先生の授業ってすごい似てるよね!!」と言われて。
見学させてもらっているということは、私がパクってもいいよと言われているのと同じだと私は思っていたけれど、いざ生徒から言われると、それはそれで気まずい(笑)
だけど、先輩は、「どんどんパクるといいよ、でも、安達さんは絶対自分には追いつけないけどね」と…。
一生忘れられない、かっけー先輩でした(笑)
今の私は、採用担当になって10年、その先輩の当時のキャリアには及びませんが、年齢だけならだいぶ上になりました。
そして、今の私は、かつての先輩と同じように、自分の採用面接やインターンの学生の面談、学内での企業説明会はもちろん、時間管理講座の個別フォロー、コーチング練習会…などなど、自分の講座にどんどん若手を参加させて、自分の技術を盗ませるようになりました。
もし、「技術を盗ませて、自分の存在価値が相対的に低くなる」と心配されている方がいらっしゃるでしょうか。大丈夫です、問題有りません。
実際私は先輩の授業を丸パクリしていたつもりだったし、生徒からもそう言ってもらえていたけど、たぶん「その程度」だったんじゃないかと思うのです。
言い回しやパターン学習など、パッケージ化されて持って帰るものができる形のものもあるけれど、それでも私から盗むものの多くは、その人がその場ですぐに使いこなせるものではありません。
だから、努力して身につけたものは、どんどん人にあげてしまって、自分はまた努力して新しいものを身につける。これでいきましょう。
＊追記＊
実は、この写真、わかる人にはわかる、深い表現なのです…(笑)
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