子供が何らかの形で生きにくさを感じている場合、たいていは親が原因だ。
先週、でしゃばっちゃう親の話を書いたのだが、
これを読んで「うちはそこまでじゃないし」と思った親御さんやお子さんは多いだろう。
でも、ハッキリ言います。多くの親御さんは、実際そこまでやってます(笑)
「この子は私がいないと〜」なんて言わなくても、良かれと思ってあれこれお世話しちゃえば、同じことです。
子供はそういう親の気持ちを愛情だと思っているので悪く言えない(思えない)だけで、「なんにもできないの」というメッセージはちゃんと受け取っています。
今年の新人のひとりは、まわりに顔色をうかがっているいい子ちゃんタイプ。
自分の狭い世界に閉じこもって生きてきて、うまくいかないことからは逃げてきたこういうタイプの子は、逃げ場のない社会に何の備えも練習もせずに飛び込んでくることも多い。
だから、入社してからコミュニケーションひとつとっても苦労している。
こういう閉じた逃げまくりタイプは、なかなか自分の考えを変えるのが難しい。いろいろな考え方や価値観を理解するのではなく、「合わない」と言って避けてきたから。
いろいろなことについて、そういうものだと思って生きてきたから、「親はそう言うけど、私はそうは思わない」とか、「こんなことやってるのうちだけだ」とか、そういういわゆる自我が健全に発達していないところがたくさん見受けられる(だからいい子ちゃん)。
だから、常に正しさに囚われて、自分が納得していないのに正しいからという理由でそれをやることが多い。
たとえば挨拶も「しなきゃいけないから」しているような感じなので、行動はできているのに、その効果がない。
実際大学時代も「○○しなきゃいけないんだよ」と親切心で助言したら「なんで?」と言われて、まったく説明できなかったという。
こういう新人がうちの会社に来るとちょっと苦労する。なぜなら「(自分の頭で)考える」というのはどういうことかわからないから。
例えば、質問があったらなんでもしていいよと言われたから質問したら、「それは聞くところじゃなくて考えるところでしょ」と言われてしまった場合。
うちは1年はどんなくだらない質問をしてもいいよという文化なので、こういう返しが来るような質問の場合は、多くの場合、発言意図は「確認」だろう。
だから、「確認なんですけど」という一言があれば、それで丸く収まる話なのに、この子は何が悪いかを考えること無く、「私の言うことはくだらないから、質問はなるべく避けよう」となる。
結果、本来報告しなきゃいけないところや質問しなきゃいけないところまで黙ってしまって、結果、怒られる。
こういうエピソードって、どこにでも誰にでもあることだろう。自分に自信が持てなくて、自分が悪いんだと思ってしまうことも。
だけど、よくあるからと言ってそれは仕方ないことではないと思う。
実際、話を聞いてみると、やっぱり親御さんは愛情という形の否定を彼女に発信していた。
そして、彼女は、それを愛情なんだからという理由だけで否定を受け取ることを拒否できずに、苦しんでいる。
これが、高校生なら、「お前はできる!私を信じろ!」でひっくり返すことは比較的かんたんにできる。
だけど、社会人はそうはいかない。
ちょっとした成功体験を積ませてあげたくても、高校生ならその子の努力だけでなんとかなっても、社会人はそもそもひとりだけで完結することがほとんどないから、難しくなる。
まあ、あれこれうんちく書いたけど、要は親離れ子離れしましょうねって話。
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